高校生のためのビジネスモデル教室

今迄ビジネスモデルの研究を私なりにやってきた。研究を始めた頃は関連書籍が少なかったが、現在は大手の本屋ではビジネスモデルのコーナーが出来ている。ここ数年でビジネスモデルという用語がビジネス社会に普及した証とも言える。やはり大きかったのは「ビジネスモデルジェネレーション」の出版であり、また「ザ・プロフィット」(スライウォツキー ダイアモンド社)「デザイン思考が世界を変える」(ティム・ブラウン 早川書房)

「経営学」(小倉昌男 日経BP社)もビジネスモデルを実行する上で大変参考になった。

ビジネスモデルの特徴を一言で説明せよ、と言われれば、私はデザイン思考であり、イノベーション実現のためのプロセスであると説明したい。

これからの時代、特に日本に求められるのはサービス化経済を発展、高度化するためのイノベーションだ。

そのためにも若い人々、特に高校生の時代からビジネスモデルに関心を持ってほしいと思う。将来どこかで高校生向けにビジネスモデルの勉強会を開催したいと思っている。ビジネスモデルを創る作業はゲームよりももっと面白く、もっとワクワクできるはずだ。

 

本の構成について・読むと見る・ページ数

以前はページ数のある本を読むのもそう苦にはならなかったが、最近では厚い、しかも字ばかりの本を敬遠気味だ。とても最後までは読み通せないと思ってしまう。また本を読む時間も限られてきている。

そんな時、ある本を読んだ。内容的に是非読んでみたい本だった。新書版サイズでページ数は129ページ。右ページは短い文章のみ。例えばこんな風に。

暗い部屋に

小さなろうそくを一本ともせば

何もかも照らしだされます

左ページには詳しい説明が書かれている。

この本は朝の光の中で、約2時間で読了できた。内容が深い本なので、繰り返し読みたい時は右ページを広い読みすればいい。

現在は生活のスピードが早くなっていて、一日の中でやるべきことが増えている。私自身は本の価値を知ってはいるが、如何せん時間が足りない。

読みやすい構成、2時間程度で読了できる本がいい。

 

ローソンの光る書籍品揃え

コンビニのローソンの品揃えがちょっといい。最近近くのローソンで買った本が2冊ある。

いずれも㈱ディスカヴァー・トゥエンティワンが出版している。

1冊は「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」(926円税別)と「テレビに学ぶ伝える技術」(926円税別)。

「仕事のコツ」は左のページに文章で説明、右のページは図解、という構成になっている。

読みやすいし、分かり易い。「伝える技術」は文章と図解が混ざった構成になっている。

「仕事のコツ」は自分の仕事のやり方を振り返ってみるために購入し、読んだ。「伝える技術」は今年の4月から野菜栽培の講習会を始めるので、テレビの説明の仕方を参考にしたいと考えて、購入した。早速野菜栽培を楽しく、分かり易くするためのヒントをこの本から吸収してみたいと思っている。日頃何気なく見ているテレビの説明が日進月歩していることを感じていたが、この際、しっかり学ぶことにしたい。

コンビニはセブンイレブンとかファミリーマートとかが近くにあるが、ローソンには本だけでなく、何か発見がある。

 

居場所はどこにあるのか

最近30代前半のビジネスマンと打ち合わせをした後で、お茶を飲みながら、暫く雑談した。企業の中でウツ病が増えているという話題を巡って、

 

阿部「企業の中でうつ病が増えている主な原因はパソコンなどのテクノストレスなんでしょうか」

Sさん「いやテクノストレスというより居場所がないということだと私は思っています」

阿部「居場所がない?」

Sさん「今は業績次第で、首を切られる時代です。なので、組織に対する帰属意識というのが持てません。安心して働ける自分の居場所といえる場が会社の中にないんです。阿部「居場所が会社の中にない、か。私が会社に入った時代は終身雇用制で、会社の中には何か家族的な雰囲気もあったような気がします」

Sさん「居場所が無くても食べて行かなければならないので、会社の中で働きますけど、そんなに余裕のある生活ができるわけでもありません」

阿部「Sさん、私の若い友人が会社を辞めて今農業に取り組んでいます。彼が言うには自分は居場所を田舎に見つけることができたが、食べていけない。食べていけるようにならないと本当の居場所にならない、と言っています」

Sさん「本当の居場所を見つける、そんなサポートを阿部さん達の世代に是非やって頂きたいと思います」

 

早足で歩く

現在万歩計を使っている。外出する時は必ず持ち歩いている。この万歩計では早足の歩数も表示される。今日の歩数は8311歩、その内早足は7325歩。全体的にかなり早く歩いていることになる。早く歩くと体内のミトコンドリアがエネルギーの元になるATPを生産するとのことで、インターバル的に早足で歩くと、元気になる、と以前の「ためしてガッテン」でやっていた。私自身の早足の実感からも頷ける。

私の知人は早足と景気は関係するとの考えで、出張で地方に行くと、駅前で人々の歩く様子を観察する。早足で歩く人が多ければこの都市は景気がいい、という訳だ。

私も知人の考えに同感だが、私なりに一つ加えると、「早足で歩けば個人景気も良くなる」。

早足でキビキビしている人は元気な人だ。仕事は元気な人に頼みたい。

 

チームビルディング

チームを作って行く時、4つのステップがあるとのことだ。新しい関係を「結婚」にたとえ、異文化マネジメントの観点で整理したフレームワークで、以下のようになる。

第一段階 ハネムーン、第二段階 敵対、 第三段階 ユーモア、 第四段階 新しい文化。実際に私自身チームを作ってきた経験を振り返ってみると、「そういえば確かにそんな感じがする」。ハネムーンの時はいろんな分野の人が集まったので、「多様性はやはりいい。何かできそうだ」と気持ちがワクワクする。ところが第二段階に入ると、何かを具体的に実行する段階になり、決めていかなくてはならない。その時、チームメンバーそれぞれの性格と価値観が表に出てくる。そこで軋轢、対立が生まれる。ここを乗り越えていくためには、互いの意見、考えを尊重しつつ、全員でそれらを検討して、最終的は一つ高いレベルで統合する、という作業が求められる。昔の言葉で言うと「弁証法的止揚」だ。チームリーダーにはこの力量が必要だ。そして第四段階、チームに親密感、一体感と自由感が生まれ、それがチームの文化になっていく。チームらしさが出てくると言ってもいい。

私がチームを設計する場合、人数にこだわる。奇数で7名迄、つまり3人、5人、7人、というように。スタート時は3人、拡大期は5人、安定確立期は7人、ということになるだろうか。

 

1月4日(月)健康が最大の資本

最近では資本という言葉が、自然資本、社会共通資本、里山資本・・・などと幅広く使われるようになってきた。従来は資本というとまずマルクスの「資本論」を連想していた。

少し脱線するが、資本という言葉を使う時、私達は何をイメージしているのだろうか。なぜ自然資産、と言わないのか。また身体が資産とも言わない。

資本の場合、一般的なイメージは「事業活動を行なうための元手になる金」のことであり、「商売をはじめるため、商売の資本を集める」などが使用例だ。さらには「サラリーマンは体が資本だ」という表現には元手は健康な身体しかない、と言った悲哀が滲む。一方資産は一般的使い方としては財産をイメージしている。株とか土地、建物などだ。資本を拡大再生産して、資産を増やしていく、というわけだ。

若い頃は余り意識していなかったが、やはり体調・体力維持は仕事をやっていく上での前提条件だ。体調が悪いと気力や思考力が低下していく。これは加齢とともにひどくなる。

今年使っている手帳は日野原先生の監修した手帳「生きかた上手手帳」だ。お医者さんらしい内容もある。1週間毎に「私の(健康)データ」という欄だ。今年は健康管理関係の測定器具を購入して、コマメに自分のデータを取ることにした。健康が最大の資本、と改めて思う。

 

2つの仕事を持つ

昨年から意識の上では「半農半X」的仕事をしている。半・半で一つということだが、2つの仕事をしている、とも言える。1つは屋上菜園関係の仕事、もう一つはビジネスモデル関係の仕事。この2つはいろいろと試行錯誤した結果、そうなった。今迄続けてくることが出来て、しかも興味が持続しているのは、自分に合っているからだろう。毎日の仕事の面でも以上の2つで占められている。私の性格には「物事に厭きやすい」部分もあるので、2つの間を行ったり来たり、というが丁度いいのかもしれない。最近では自分の中で相乗効果が生まれてきていると感じる。併せて視野も拡げることができる。

さて江戸時代の商人の中には2つ以上の仕事を持っていた者がいた、と何かで読んだことがある。人々の生活時間に合わせていろいろな仕事をしたのではないか。別の面から見れば一つの仕事だけでは食べていけなかった、ということかもしれない。

これからの時代、複数の仕事を持つ人が増えてくるのではないか。会社に勤めていながら、土日に他の仕事を副業的にする人達が増えてきている。あるいはフリーランサーの人達、シニアの人達が2つ以上の仕事をするということも同様だ。企業社会が安定的、継続的に人々に仕事の場を提供できる時代は去りつつある。その意味では働く人達も発想の転換をして、いざという時に備えておく必要があるのではないか。どんな大企業に勤めていても、明日突然リストラされる時代なのだから。2つの仕事、2つの足場が必要な時代になっている。

 

中国の解放

中国リスクが懸念される今日、現在中国がどのような発展段階にあるのか、冷静な把握が必要と思われる。まず経済発展の段階で言うとどこまで来ているのか。世界経済がグローバル化している今日、また一国経済の中でも様々な経済的側面があるので単純化するのは難しいが、敢えて言うなら基本的には「国家独占資本主義的工業化・公共投資主導型社会」ということになるのではないか。それに対し日本は「知財化・サービス化社会」ということになるだろうか。現在の中国にとって最大の課題は大方の識者の見解ではイノベーションと言われている。また安定した中産階級の形成も重要な課題という指摘も多い。

これらを実現するためには、制度的にも、精神的にも民主化、自由化が喫緊の課題となるが、政治的統制にこだわる現政府にとっては「自己否定的」行為になる可能性があり、実現には紆余曲折が予想される。その実現が遅れるようであれば、中国は長期に亘る停滞を余儀なくされるのではないか。それが社会混乱を招かないことを望むばかりだ。なぜなら社会混乱の最大の犠牲者はいつも一般庶民だからだ。5年経ったら東南アジアの勢力地図は大きく変っていることだろう。中国政府は自らの意志で中国を古い制度から解放することができるだろうか、あるいは下からの突き上げで変っていくのか、あるいは孤立化していくのか。

中国の粗鋼生産量は約8億トン。驚くべき数字だ。世界の総生産量16億トンの半分を占めるまでになっている。中国の世界経済への影響は極めて大きい。

経済的・外交的・軍事的対応が日本にとって今ほど大きくなっている時代はない。その意味でも中国の古い体制からの適切な解放に向けて日本政府も日本企業も、さらには日本国民も冷静かつ賢明な対応をしなければならないと思う。

 

仕事の意味

仕事とは何か。そんなことを年の初めに改めて考え、今年一年の私の仕事観としていきたい。昨年12月6日の日本経済新聞、「半歩遅れの読書術」で経済学者の渡辺利夫氏が、興味深いエッセイを寄せている。題は「森田正馬とソルジェニーツイン」。森田の本は私も若い頃、読んだ記憶がある。さて渡辺氏は神経症の根源にあるものは「死の恐怖」と森田の説を紹介している。その線に沿って見解を展開しているが、私の場合「死の恐怖」もあったが、それ以上に深刻だったのは、只今現在の自己の存在感が希薄であるということだった。そのため自己嫌悪と自己憐憫が相反する形で葛藤を繰り返していた。

さて渡辺氏の要約によれば森田の説は「仕事」は事に仕えて対象と合一できる無二のものであり、一つでも仕事を成し遂げさせ、体験的な自信を与え、心身機能発揮の爽快を感じさせ、内向から外向へと変じさせることを目指した。一般論としては私自身この考え方に共感を覚えるが、私がその時思ったことは、「この仕事が本当に自分を救ってくれるものなのかどうか」「この仕事が本当に自分に合っているのか」ということだった。勿論人は食べていかなければならないので、仕事の目的の第一は生活費を稼ぐことであることは言うまでもないことだが、やはり「人はパンのみにて生きるにあらず」だ。自分の社会的才能についても懐疑的だった。社会で通用しない人間ではないか、と言う不安がいつも足かせのように私を捕えていた。これは青年期特有の現象かもしれないが、その後のサラリーマン生活に私自身過度に適応して行ったのは、この辺りの理由があったのかもしれない。高度成長期でもあり、結婚してからも毎晩11時過ぎ迄残業が続いた。疲れ果てて、自分のことを考える余裕も無くなった。・・・あれから約40年。この齢になって改めて仕事とは何か、を考えている。

考える順序として、自分は仕事を通じてどのような価値を産みだすことができるか、を第一に考えたい。二番目はその仕事を通じて自分が安らぎを得ることができるか、三番目は価値の対価として金銭的見返りを受けることができるか。生活のために働くから、自分の生き甲斐、恰好をつければロマンのために仕事をしたい。その意味では仕事は自分に与えられた志を実現していく「志事」、より良い社会づくりを縁の下の力持ちになって支える「支事」となる。この齢になってやっとそのように考える、実行に移すことができるようになった。