幼児教育の大切さ・食と自然

「三つ子の魂、百迄」という諺がある。食育研究家のIさんと話していて話題になった言葉だ。幼少期の体験、教育が重要であること、その時期だからこそやっておくべきことがある・・・。Iさんの子供時代の話も聞きながら、いろいろ考えさせられた。日本がまだ貧しかった時、日本人はものを大切にし、「勿体ない」という考えが生活全般を覆っていたように思う。私も幼い時、ご飯粒を茶碗の中に残していると、「お米一粒をつくるためにお百姓さんが汗水流して働いた。そのお陰でご飯が食べられるんだ。だから勿体ないことをしてはいけない」と父親から叱られた記憶がある。父親は農家出身なので、その言葉には迫力があった。その時、子供心にお百姓さんの姿を思い浮かべた。禅僧の食事をテレビで見たことがある。お白湯で茶碗を洗い、箸を洗って、白湯を飲む。食事も修行の一つということなのだ。食器を洗う水も節約して、自然の恵みを無駄にしないということだろう。日本人は現在飽食の時代を生きている。しかし、こんなにも食べ物を無駄にする時代はいつまでも続かないだろう。日本人の生活の在り方を立て直すためには、まず食生活からだろう。自分で畑を借りて野菜を栽培していると、野菜は「自然の恵み」というのが実感として分かる。私達もそれなりに農作業をしているが、それはあくまで補助的作業で、生長させ、実を結ばせるのは太陽であり、雨であり、循環的に肥料になっていく有機物、それを分解する微生物、授粉のために活動してくれる昆虫達。そして野菜に新鮮な空気を送ってくれる風。恵みとは一方的に与えられるものであり、私達にできることは感謝であり、無駄にしないで全てを頂くことである。恵みであるから無駄にはできない。農作業はいつもそのことを教えてくれる。このようなことを幼い子供達に伝えていくのも私のこれからの仕事だ。