弱さについて

弱さについて考えてみたい。個人の場合、弱さは肉体的な面と性格的・精神的な面で認められるだろう。企業の場合は弱さとは業種、規模によってそれぞれ違ってくるだろうが、弱さを持っていない企業はないのではないか。更に大きく言えばそれぞれの国家でも弱さを抱えている。さてここで考えたいことは、弱さと向き合うことの大切さとその弱さに対する対応のありかただ。まず個人の場合。私も人並みに人生を長くやってきたが、弱さを克服することは難しかった。特に性格的・精神的な面では自分なりに努力したが、克服できたとはとても言えない。若い頃、中高年の頃は自分が嫌いだったこともあり、自己啓発によって変えようとしたが、なかなか変らなかった。結果的に自分の性格・精神的な面に対する自己嫌悪感が一層強くなる始末だった。そして老年期になってからはやっと諦めの境地になって受け入れざるを得なくなった。変えることを諦めてからは不思議に気持ちが落ち着いた。自分なりに少し進歩したかと思えるのは、自分の性格・精神的な面はそのままにして、その反応をある程度コントロールできるようになったことだ。人生の訓練の結果なのかもしれない。

一方企業の場合は、複数の立場が異なる人間がいるので、それぞれの立場によって「弱さ」の見え方も内容も異なってくるのではないだろうか。企業の場合、強み、弱みを分析する「SWOT分析」という経営手法がある。SWOT分析では弱みを機会と関係づけることによって成長機会とすることができる。

さてここから先は私の直感で言うのだが、ビジネスモデルの多くは弱さ、危機の中から生まれたものが多い。弱さと向き合い、弱さの徹底的自覚から新しいビジネスモデルが生まれてくるように思う。大事なことは目を背けずに弱さを見つめ、その上で弱さを強さに変えるキッカケを掴むことだ。これは自戒の言葉でもある。