太陽光発電の今後
今迄順調に伸びてきた太陽光発電が転機を迎えている。九州電力が出力10kw以上の受け入れを中断した。理由は送電網の安定性を保てないということだ。九電は太陽光や風力が増えすぎると電気の質を保てずに停電が起きることを中断の理由にしている。一方地熱や水力は発電量が年間を通して安定しているということで、受け入れ再開を決めた。経済産業省は太陽光に普及が偏った再生エネを見直しに入っている。太陽光発電では買取価格が他の再生エネよりも高く設定されているが、今後更なる引き下げが検討されると思われる。太陽光発電住宅で10kw以上の平均的売電収入は月2~3万円になり、売電収入が見込めることでマイホーム購入に踏み切る人がいるとのことだが、今後はそうは行かなくなるだろう。因みに九州電力の場合再生エネの比率は以下のようになっている。
太陽光59%、風力8%、中小水力19%、地熱4%、バイオマス10%。確かに中小河川が多く、灌漑用の水も利用できる日本では中小水力がもっと多くても良いように思う。
課題は中小水力用の発電機の性能とコストだ。特に小河川用の発電機の導入コストが下がり、メンテンスも簡単になれば、河川水力の普及も加速していくはずだ。
群馬県のある町では小河川の水力発電を止めて、太陽光に切り替えた。九州電力の今回の方針転換は他の電力会社の判断にも影響を与えると思われる。太陽光発電に関っている企業にとっては悩ましい事態も起こっている。屋根に設置した太陽光パネルの売電収入を住宅ローンの返済に繰り入れた人の中には住宅の引渡しを受けない施主も出てきている。「話が違う」ということだ。太陽光を使った農地利用、太陽光の売電収入をベースにしたパークマネジメントなど高い買取価格を利用したビジネスモデルが次から次へと出てきている。太陽光を巡ってはしばらく混乱が続くと思われる。