強い農業とは

農業にとって「強い」とはどのようなことなのだろうか。今週の東洋経済では「強い農業」の特集だ。現在TPP交渉でアメリカは関税の例外なき撤廃を日本に要求している。バイデン副大統領は先日安倍首相と会談した際に、改めて例外なき撤廃を交渉妥結の条件として繰り返したとのことだ。恐らく米国はこの方針を変えることはないだろう。最終的には安倍首相は米国の要求を呑むのではないか。なぜなら日本の産業界はTPPを歓迎しており、一段の国際マーケットの拡大を目指しているからだ。日本はどのような農業を目指すのか。独自のイノベーション技術を武器にしたオランダ(スマートアグリ)、イスラエル(点滴栽培)のような工業化された農業なのか。あるいは米国のような大規模農業なのか。戦後の農地解放による小土地所有者の存在、起伏のある山間地域の農地そして水田いう特殊性を考えた時、米国型よりも欧州型の方が日本に合っているように思える。強いと言った時、攻めに強いのか、守りに強いのか。両方強いのか。このあたりの確認も必要だろう。ここから先は全くの暴論だが、食べ物はやはり地産地消、身土不二が原則ではないかと思う。地産地消を実現していくことがまずは守りに強い農業を実現することにつながるのではないか。その意味ではTPPは生産者だけではなく、消費者に対して食を、日本の農業をどう考えるかという問いを突きつけているように、私には思われる。