「東京の緑」復活活動

「江戸のみどり復活事業」という活動がある。パンフレットによれば「生物多様性を回復させる取組の一つとして、東京都と先駆的な在来種植栽を行なっている企業が連携し、実際の植栽地をフィールドとして活用しながら、在来種植栽の管理方法や効果的な普及啓発策等を多角的に検討する事業」とある。この復活事業に参画している企業として株式会社フジクラ、三井住友海上火災保険株式会社、森ビル株式会社が紹介されている。

今回「江戸のみどり復活事業」フォーラム2016が1月27日に開催されるので参加することにした。それにしても東京は江戸から東京に変る過程で都市化と工業化を急激に進めたが、特に第二次大戦後、焦土となってしまった国土を復興させるために極度の都市化と工業化、特に農業から製造業への人口移動、それに伴う住宅の供給、田畑の宅地化、自然環境特に緑地の開発・破壊が進んだ。そして現在、人口減少、高齢化の波の中で人工都市の空洞化が進んでいる。都心の区の中には1世帯当りの人数が2人を切っているところもある。一度宅地化した田畑、自然環境を元に戻すことは簡単なことではない。生態系が回復するまでに何年かかることだろうか。これからも東京への一極集中は続くと思われる。

まず今ある自然環境を極力破壊しないことを望みたい。最近は大型ビルを建てる時は一定の面積の緑化率が義務付けられているが、それこそまさに義務ということで在来種と関係の無い、メンテナンスに手間のかからないセダムとかキリン草が使われることが多い。形だけだ。本当の緑を回復して初めてみどりの復活といえるのではないか。現在のみどり率向上の義務緑化はメンテンスをしないため殺風景の荒地をつくるだけだ。後は野となれ、山となれ、ということだろうか。