「恵み」とは・マタギの話から思うこと

今朝のニュースを見ていたら栄村・秋山郷のマタギ6人がマタギ文化を守っている様子が紹介されていた。マタギは山間部で冬の時期食糧が少なくなる時期に猟に出て熊などを取る。雪の上に残された足跡からどんな動物が通ったか、判断する。ウサギとか狸とか。

熊鍋をマタギ仲間で囲んで談笑している。マタギの一人は、熊は自然からの恵みなので、頂いた生命を大切に頂いている、一切無駄にしないと言っていた。また雪についても大雪が大変だろうと都会の人は言うが、自分達はそれほどのこととは思っていない。なぜなら大雪は溶けて水になり、多くの生き物を養ってくれるからだ、と。

そんな話しを聞きながら、アイヌの人々の「イヨマンテの熊祭」のことを連想したりしていた。また宮沢賢治の「なめとこ山の熊」のことも。

自然の恵みを感謝していただく、というのは日本人の心に通底している真情なのではないだろうか。「恵み」とは一方的に頂くものである。それは自分が働いた結果に対する報酬というようなものではない。恵みの意識は人によってそれぞれだろう。それでも多くのことを「恵み」と思うことができれば、それだけ感謝と幸せの気持ちも増えていくことは間違いないように思う。