「生活を楽しむ」ビジネスモデル

 

経済学者の小野善康氏は「長期不況を克服するには、お金の呪縛から解放され、私たちが生活を楽しむことに知恵を絞ればいいのです」と提言している。さてここでハタと考えてしまう。生活を楽しむ、とはどんなことなのだろうか?何か好きなことをやることだろうか。趣味を沢山もつことだろうか。あるいはどんどん社交の機会を持つことだろうか。映画、歌舞伎、演劇を見ることだろうか。あるいは有名な店の食べ歩きをすることだろうか。

難しいのはそうとも言えるし、どうもそれだけではないような気がするという曖昧さが残ることだ。特に成熟社会。何か知的な部分も欲しい。物質的にも精神的にも豊かさを感じられるような楽しみ。小野氏は生活を楽しむことに知恵を絞る、つまり能動的に楽しみをつくることが大事なことだと言っている。その楽しみが内需を拡大し、雇用機会を増やし、企業の収益を増加させ、株価も上昇させるようなものであれば申し分ない。能動的に楽しむためには、例えば旅行の場合。どのようにしたら良いだろうか。現在でも旅行会社のパッケージ旅行でも自由時間などを取っているが、能動的という点からは不十分かもしれない。当社のビジネスモデル「サンクスペアレンツ」で提案しているのは、旅行者を地元の旅館、ホテル、レストランだけが受けとめるだけではなく、地元の人々との交流を目玉としている。そこには人情と人情との交流、さらには日々の生活感の交流も生まれてくる。また町中でのコミュニティ農業。一緒に栽培すれば親しい仲間意識も生まれてくる。農業をどのように楽しいものとするか、知恵の絞りどころだ。広がりがあり、日々新しいワクワクするような体験ができるアグリカルチャー。遊びの世界を耕す時代が来たのだと思う。

価値観を変えれば景気も良くなるとのこと。是非そうしたいものだ。