「病」院から「健康」院へ

 

これからの時代、まだ病気にはなっていないが、病気の手前で、それを防ぎ、健康な生活を送り続ける、予防医学的な取り組みがますます重要になってくる。病気治療のコストだけでなく病気に伴う精神的苦痛は本人にとって大きな負担だ。特に癌の場合は、死を意識しながら生活することになる。病気はある日「突然に」やってくる。しかし、本当のところはコップの中の水のように注がれた水がある時点で溢れ出すように病気として本人に認識されるということが本当のところだろう。生活習慣病というのがある。長い間の不摂生が病気を生み出す、という考えだ。さてここで考えたいことは、病気を治療することから、病気をできるだけ予防する、というパラダイムシフトだ。江戸川大学特任教授の中村雅美氏は「医療機関は病気や怪我をしなければ受診しない。そうではなく、病気になっていない私たちが健やかな生活を送るにはどうしたらよいかを助言してくれる専門家こそ、今の時代に必要だ」として「健康院」づくりを提唱する。全く同感だ。私は今迄大きな病気をしたことはないが、やはり病気のことを考えると不安になる。自分で有機野菜を栽培し、野菜を沢山食べているので、病気にはかかりにくいと信じているが、できればもっと具体的に、きめ細かく病気予防ができればとも思う。医院で定期的な健康診断を受ける。その際、問題点を指摘されるが、医者は潜在的な病気の可能性に迄はまず触れない。私が考えているこれからの未病治療のイメージは次のようになる。医院で健康診断を受ける。それを持って健康院で診断を受け、未病治療の処方箋を頂く。人間の健康を左右するものは大きく分けると、肉体的健康その中でも特に血管の健康、脳細胞の健康、精神的健康、食生活の健康など4つになる。この4つの健康を日々の生活の中で維持し、病気を未然に防ぐアドバイスが欲しいと思う。「あなたの場合はこうしたら病気を未然に防ぐことができますよ」というアドバイスと具体的プログラムだ。勿論一つの「健康院」で全部をカバーするのは大変だろう。であれば肉体的「健康院」、脳細胞「健康院」、精神的「健康院」、食生活「健康院」とそれぞれ専門化するのが現実的かもしれない。私は「健康院」の中で、特に食生活「健康院」に関心がある。具体的には野菜食「健康院」だ。野菜食「健康院」を開設・運営するためのビジネスプラン、ビジネスモデルを考えている。野菜食「健康院」では私の健康状態を踏まえて、どんな野菜をどのように調理して、どの程度食べたら良いかアドバイスし、そしてプラグラムも作成する。私は記録を取り、月一度病院に行って検査を受け、それを持って野菜食「健康院」に行く。これからの時代の病気管理・健康管理のイメージだ。国の財政に占める医療費が膨大な数字になっている。高齢化が進んでいる今日、医療費は増えこそすれ、減少に転じることは現状では考えられない。個人の健康と同時に地方自治体、国の財政的健康のためにも「健康院」は大きな役割を果たすに違いない。