「解決する」と「乗り越える」

ある本を読んでいて次のような個所で眼が留まった。「一般論ではありますが、人間が抱える問題の多くは、恐らく解決されないもののほうが多いのではないでしょうか。・・・長く生きれば生きるほど、そんな解決の難しい問題ばかりが心に積もっていきます。それでも人は生きていかなければなりません。だからその問題をどう解決するかというより、どう乗り越えるかが、実際のところでは大切になってくるように思えます」

さて解決すると乗り越えるとはどのように違うのだろうか。解決とは問題を生みだしている状況を解消・解体することであると考えると、乗り越えるは問題に対する主観的対応を変える、ということになるだろうか。例をあげて検討してみたい。地方の人口減、限界集落の増加を「問題」として捉え、解決案を考え、実行する。この場合解決案として中核都市の形成、あるいは6次産業化などが考えられる。一方乗り越える、とはどのようなことになるだろうか。問題の上を踏み越えて、その先に行くことであるとすると、具体的にはどのようになるだろうか。にわかに解答らしきものは浮かんでこない。宿題としておきたい。