かつて賑わいを見せた観光地 伊東

 

私用で伊東の先、中伊豆に行く用事があった。用事が終った帰り道、伊東駅近く迄来た時、バスの運転手さんが、「昔はこのあたりは観光客で一杯だったんですがねぇ。私なんか若い頃、この通りのちょっと洒落た飲み屋でよく飲んだもんです。今はホラ全然人通りがないでしょう。」見てみると確かに人影がない。夕方から降り始めた強い雨のせいもあるだろうが、通りに並ぶ店は昔日の面影を偲ばせる小粋な佇まいだが、やはり寂れたという感じは否めない。観光地には流行り廃れがあるのだろうが、伊東の場合は何が原因だったのだろうか。地元の人の話ではやはり伊東沖群発地震の影響は大きかったようだ。それにしてもそれを跳ね返せなかったもっと深い理由もありそうだ。伊東は相模湾に面している。金目ダイなど魚の旨いところだ。温泉もある。しかし伊東から中伊豆に通じる道路の両側には住宅、マンションが目立った。観光地というより別荘地的な印象を受けた。観光地としては伸び代が少なかったのかもしれない。「伊東に来たらハトヤ」のハトヤホテル、伊藤園ホテルも苦戦しているとのこと。熱海も同じように別荘地化しているのではないだろうか。東京、横浜から近いということはわざわざ一泊しなくてもいい、ということになる。東日本大震災以来、熱海の新築マンションも売れ行きが悪いとのことだ。別荘地としてもこれから影響が出てきそうだ。受難の時なのかもしれない。