もう一度根本に帰る

今日はRさんと思いがけず「人間力」について話合った。「人間力とは何か」これに対する答えは人さまざまだろうが、一つ留意することがある。それは人間と組織ということだ。人間はある目的のために、人々をまとめていくために一定の規範、規則をつくる。組織を維持していくために、また敵から組織を守るために、いわば人間を支配するために規範、規則を制定し、人が人を支配するための仕組みをつくる。昔風の用語を使えば、これは「疎外現象」の一つだ。組織が大きくなり、それに伴う規範、規則が多くなればなるほど、人はその組織に非人間性を感じるようになる。具体的な例を2つ挙げる。一つは宗教団体。

キリスト教の場合は、ナザレ人イエスと初代教会との関係。パウロ書簡の後に書かれたマタイの福音書には初代教会を守るために規範、規則がイエスの言葉として盛り込まれているとの指摘がある。もう一つは徳川幕府。二代目の秀忠は規範、規則をそれぞれの支配対象毎に制定して、武家を、僧侶を、貴族を、さらには天皇家を抑え込んだ。現代に生きる私達も組織の中で生き、仕事をしている。さて人間力がなぜ問題になるかと言えば、疎外された人間を回復するために、規範、規則以前の、人間としてもっとも大事な資質があることを想起させる必要があるからではないか。

現代における人間力とは何か、Rさんと暫く話合った結果、二人とも同じ結論になった。

「真実を求め、人を思いやること」

さてあなたの場合は人間力とは?