エコ宅配システム

千駄ヶ谷にテラス菜園の現場があり、週1回は副都心線の北参道駅から現場に向かうが、その途中の道で「エコ宅配システム」のリヤカー付き自転車に最近しばしば出遭う。このあたりはファンション関係のショールームが多いところだ。昨日はやはりファッション関係の会社から荷物が出るところに出くわした。リヤカーの上にグリーンのビニール製の大きな四角いボックスが乗っていて、横が開けられるようになっている。雨対策だろう。そこにダンボールを入れていた。自転車で荷物を運ぶということであれば、そう遠距離ではないだろう。自転車、つまり人力だけで運ぶので「エコ宅配システム」。ただ人力で運べる範囲は限られているだろうし、また集荷数にも上限があるのではないか。若い男性が、恐らく20代か、この仕事をしている。続いているということはビジネスとして成立っているのだろう。私がこの「エコ宅配システム」に関心を持つのは、この「エコ宅配システム」を見る前に、まったく同じシステムをビジネスモデルとして考えたことがあったからだ。使う道具も自転車とリヤカーだ。もっともリヤカーは最新式のものであったが。

以前から「地域限定のデリバリーシステム」がこれから必要になってくるのではないかと思っていた。キッカケは2つある。一つは私の叔父が洋品店をやっていたが、最後の頃はお店に来て買って頂くだけでなく、電話で注文を受けてお客様のところにお届けするサービスをしていた。高齢化したお客様はお届けを希望する。もう一つはカフェ。店での売上をデリバリーが上回るようになった、という話を関係者から聞いた。その関係者もカフェのオーナーでデリバリーを考えている。店の販売だけでは限界ある。新しい店を出すには費用、人材育成、品質の確保、マネジメントなど課題も多いが、デリバリーであればそれほどのリスクはない。

コンビニのPOSシステムは商品の履歴は記録できるが、顧客の履歴は記録できない。しかし、デリバリーには顧客の履歴を記録出来る可能性がある。これからの時代、飲食店も小売業もスーパーも地元市場の深堀りが重要な商機となることは間違いないだろう。

地元密着型デリバリー代行システムは採算的には厳しいビジネスだろう。どのようにして採算を確保するか、発想の転換が必要と思われる。

「エコ宅配システム」システムの若者が自転車を漕ぎながら去っていくのを見詰ながら、「さて、どうするか」と思案を始めたところだ。