コア・コンピタンスのために

 

経営学者のハメルとプラハラードが1994年に著した著書「コア・コンピタンスは経営」は顧客に価値をもたらす他社にまねできない企業の中核的力の重要性を提唱している。つまりコア・コンピタンスは自社の持つ一連のスキルや技術の固まりとして捉えられている。

どこで戦うかの競争優位論ではなく、何を武器に戦うかの資源ベースの戦略論ということになる。最近大きな話題になっている無印良品の「仕組みづくり」はその好例であろう。

ところで企業はどのようにして自社のコア・コンピタンスを捉え、理解していくのだろうか。またどのようにして自社の何が顧客に価値をもたらしていると知ることができるのだろう。問題は捉えるべき領域の的確さとレベル(程度)ではないか。過大でもなく、過小でもない。ビジネスモデルをデザインする際に必ず行なうのは顕在的差別化要素と潜在的差別化要素の洗いだしだ。顧客の視点からの分析と他社との比較検討も忘れてはならない。

自社のコア・コンピタンスを継続的に把握していくための基準設定、またコア・コンピタンスを絶えずイノベーションの中に位置づける意識も極めて重要だ。コア・コンピタンスは企業の存在理由でもある。