コンセプトとビジネスモデル

 

今日は久し振りでM大学の環境講座に社会人聴講生として出席した。この講座を主宰されているO先生は私が卒業した大学の学部の後輩で、私のことを先輩と呼んでくださるので

いささか恐縮している。今日の講師はM綜合研究所のK氏だった。K氏の名刺にはコンセプト・プロデューサーとあった。テーマは将来の日本のエネルギー政策で、日本の立地条件を活かした、バイオ燃料の開発についてのお話が中心だった。講義の後、K氏と暫くお話をする機会を持たせて頂いた。私の方からの質問は、コンセプトをプロデュースするための秘訣は何か。K氏からは雑学といろいろな人と交流すること、と回答があった。そこから、雑学のためには大学の教養課程、リベラルアーツの重要性を見直すこと、それと関連するが学際的発想と異分野の専門家との交流が欠かせないという話になった。K氏とは具体的課題として、今後の日本のあるべき姿、日本社会のリ・デザインついてミニブレストをした。そして日本を現在の県単位ではなく、もう少し集約して数を減らしブロックし、地方分散システムに切り替える。また成長経済から成熟経済に舵を切るべき、との話になった。今後またいつかお会いできたら続きのお話をしたい。日本人はどうしても要素技術に関心を持ち、そこに全力を傾けがちだ。しかしこれからは未来のある時点で「どうあるべきか」のコンセプトを設定して、そこから現在にBack  Casting するという発想を持たなければならないと思う。アップルのアイフォンで使われている技術は既存のものばかりで、ハードの生産は日本、中国で行っている。アップルはアイフォンとアイパッドで莫大な利益を上げている。まさにコンセプトが稼ぎ出した利益と言っても過言ではないだろう。優れたコンセプトを創り出すことのできる人材を育てること、これが日本復活の鍵を握る。これがK氏と私の今回の結論だった。優れたコンセプトは優れたビジネスモデルにつながる。是非参考にしていきたい。