ゾゾタウンとStores.jp

 

ソーシアルテクノロジーがビジネスモデルに与える影響がますます大きくなってきているように思われる。そう思わされた事例を2つ。まずゾゾタウンを運営するスタートゥデイが新サービス「WEAR」を発表した。専用のアプリをインストールしたスマートフォンなどで、店頭に掲示されたバーコードを撮影すると、店頭で下見をして、買わずに帰り、気にいった時にネット通販サイトで好きなときに買える。「WEAR」に対しては積極的に対応しているところもあれば、強い拒絶反応を示しているところもある。特に拒絶反応をはっきり示し、対抗措置を取っているのは商業施設だ。売り上げに応じた賃料収入が最大の収入源で、リアルの店舗がショールームになったら収入減は避けられない。ただ顧客視点で考えると、顧客にとっては便利だろう。買うかどうかじっくり考えることができるし、また通販であれば安く買うこともできる。ただ接客している販売員との信頼関係は崩れてしまうかもしれない。一方「WEAR」自体のビジネスモデルにも不透明な面があると指摘されているので、どこで利益を上げるか、お客様への真の価値提案が何かを更に明確にしていく必要があるだろう。もう一つはCtoCのオンラインストアの「Stores.jp」だ。無料でオンラインストアが開設できる。サイトオープンから8ヶ月で既に4万店が登録されているという。楽天市場やAmazonと違ってモールを作って人を呼び込む仕組がないのが課題と指摘されている。ただ使い方によってはかえってその方が良いというケースもあるのではないか。ソーシアルテクノロジーは最終的にはさまざまなビジネスに衝撃を与え、無料化の方向へ進ませるケースも今後増えてくるのではないだろうか。ビジネスモデルも革新を続けて行かなければ、アッという間に廃れてしまう、厳しい時代なのだ。