タフな心をもった高齢者になる

 

日本がこれからどのような社会になっていくだろうか。まずは高齢化社会。これは人口統計から見ても避けられない。2番目は多民族社会。この傾向は既に始まっている。多くの外国人が飲食業で、建設現場で、サービス業で、そして農村で働いている。プロ野球でも外国人選手が活躍し、国技と言われた相撲でも外国人力士が増えている。そして3番目は成熟文化の社会。京都府立医科大学長の吉川敏一氏はわたし達にこのように、期待と励ましをこめて次のように呼びかける。「幸い、厳しい社会を乗り越えてきた世代や、激しい競争を経験してきた団塊世代の人々たちが、これからの高齢者なのだ。今までの常識を越えた、柔軟で強引な対応ができる新しいタイプの集団になると思われる」戦後の団塊世代及びプレ団塊の世代の高齢者は逆境に強く、変化に対する対応力も高く、教養もありオープンマインドだ。なにしろ「一生にして二世を経る」世代なのだ。東京空襲の焼け跡を子供の頃見た。高度経済成長時代、アメリカに追いつき追い越せと働きに働いた。バブルとバブル崩壊も経験した。吉川氏はエールを送る。「不屈の精神に磨きをかけて体力や気力を充実させて、タフで楽しい老後を送ろう」と。団塊の世代の仕事は終っていない。3番目の日本の良さを活かした成熟文化の担い手は団塊の世代を措いていない。「お楽しみはこれからだ」