ディープな町・神田復活のビジネスモデル

 

当社の東京オフイスが神田錦町にある。仕事の関係で神田近辺を歩く機会が増えた。神田からは日本橋にも大手町にも秋葉原、御茶ノ水にも歩いて行くことができる。最近は皇居の中も歩いた。神田には歴史を感じさせる老舗も多い。以前仕事の関係で京都の中京区を訪れる機会があり、ホテルの回りを歩いた。近くの本能寺などもあり、歴史を感じさせてくれる見所が多い。京都の中心部はそれこそ1000年以上の歴史があるところだ。神田は1600年代に生まれた町だろうから歴史の深さで比較したら京都には遠く及ばない。しかし、私は何か神田のディープさを感じる。それは歴史だけではなく、別のものが加わるためかもしれない。このあたりはNPO法人神田学会が長年にわたって「探求・発掘している」ところなので、私としては見当外れになるかもしれないが、その「別のもの」についてこんな風に感じている。神田は将軍お膝元として、かつてビジネスと商いがそれぞれダイナミックに展開された地域であり、その気分が今でも神田地区を覆っていると。そういう神田の近年はビジネスも商売も東京の他の地域に比べやや地盤沈下していたようだ。

町には「生きている」という雰囲気が大事だ。高層ビルの立ち並ぶ汐留地区、品川地区にはどうも「生きている」という感じがしない。その意味で「・・・だから神田に行こう」と人々がやってくる何か象徴的なものが欲しい。それが高層ビルでないことはたしかなのだが、まだ私の頭の中にはイメージが降りてこない。神田にはかつての東京の中心だった活力を取り戻してほしいと思うのは私だけではないだろう。