デザインの力
デザインというのはモノの形をつくる、というのが通常なのだろうが、最近読んだ「うまい文章の全技術」プレジデント9.19号別冊の中の「目から鱗のー企画書、提案書」を見ながら、イメージの内容、思考プロセスの「見える化」、つまりデザイン化、BEFORE-AFTERに目から鱗が落ちたような思いがした。マインドマップもそうだが、頭の中の動きをデザイン化する時代に来ている、との感を改めて持った。これにはパラダイムの転換がある。効率のための改善から新しい価値を生み出すためのイノベーションの時代に日本は入っている。もう一つの転換は技術革新を主体にしたイノベーションから、私達の生活そのものを豊にするイノベーションだ。アップルのジョブスはデザイン重視の経営で消費者の心をつかみ、圧倒的な成功を収めた。デザイン的思考は社会全体にも広がっている。コミュニティデザインとか社会デザインという分野だ。デザイナーが頭の中に湧いたイメージを形にするだけでなく、既にある人間関係、地域社会をベースにして、新しい組み合わせ、新しい要素の導入など、個人的作業だけでなく利害関係者が集まった共同的作業も、デザインの分野で次々と実施されている。ビジネスモデル創造の分野でもデザイン精神は非常に重要な要素となっているビジネスモデルの場合、デザイン精神は思考の<冒険>を求めている。さて思考プロセスのデザイン化について、私なりに一つ付け加えたいことがある。それは思考、アイデアの動画性、物語性だ。思考は常に動き、回流している。デザイン性と物語性。この2つが「共創」のためには欠かせないと考えている。