ネットからリアルへ

ソーシャルテクノロジーの発達により、ネット社会が出現した。必要としている情報はパソコンから殆ど入手できる時代になった。しかし、何か落ち着かない、と私たちはどこか深いところで感じている。それは情報が持っている信頼性に関ることだ。つまり何らかの操作が行なわれているのではないか、という疑念が間接情報には常につきまとう。私たちは操作主義的資本主義社会の中に生きている。自分で判断し、決めたと思っても、実際は操作されているのかもしれない。ネット時代の揺り戻しが始まっているのではないだろうか。リアリティーと信頼性がキーワードになる、と私は考えている。リアリティーは昔から言われているが、3現、つまり現場、現物、現実。信頼性はフェースツウフェースの人間関係。最近私が参加した集まりである人が農業の可能性について本を書いたが、農業の現場と現実を体験したいと思い、農業実習を受けることにした、と言っていた。1年間の農業実習を受けた後に、彼がどんな本を次回書くのか、興味深い。私たちの世代は3現主義で鍛えられた。その精神をこの揺り戻しの時代にもう一度噛み締めてみたいと思う。