ネーミングの大切さ

 

商品、サービスのネーミングが重要であることは言うまでもない。それは「魂」を入れる

ことに例えられるだろう。以前このブログでも紹介したが、ハンドメイドコスメのLUSHのネーミングはユニークだ。ギフトの欄に記載されている商品名からいくつか挙げてみる。みつばち俱楽部、セレブのお気に入り、おてんば娘、ビタミンカラーの恋人。季節限定商品では、たまごのお家、かしましセニョリータ、ぐるぐるのキラキラ、メイク商品では、信じる気持、責任感、賢人のまなざし。名前を聞いただけではどんな商品か分からないが、LUSHは会社の方針としてすべての商品にこのようなネーミングをつけている。

ネーミングの理由がLUSH TIMESに記載されている。セレブのお気に入りはこうだ。「セレブリティーが選んだアイテムばかり 金色の星が輝くゴージャスな贈りもの 入っているもの ●モイスチャライザー●マッサージバー●ボディクリーム●ダスティングパウダー●ソープ●バスボム●バブルバー。」

それにしてもどのようにしてネーミングを考えているのだろうか。

次に小林製薬を取り上げてみたい。「トイレその後で」とか「ナイシトール」など同社のネーミングは分かりやすく、覚えやすい。以前同社にどのようにしてネーミングを考え、決めているのか、問い合わせたことがあったが企業秘密ということで教えてもらえなかった。銀座まるかんの創設者、斉藤一人氏はヒット商品、「スリムドカン」のネーミングは頭を遊ばせた結果生まれたものだと説明している。一見突飛に見えるこの名前も普段から遊びで新しい組み合わせ(ゲツ・下駄と靴が一緒になったもの、ゴパン・パンの中にご飯を入れたもの)を考える中で、生まれてきたものだという。重要な示唆がある。斉藤氏は言う。「本気になって『ゴパン』をつくろうと思うなよ。これは遊びなの。この辺で遊んでおかないと、一歩進んだアイデアは出ないんだ。考えは10歩進むの。でも、実際には1歩しか進んじゃダメなの」私なりの解釈では「この辺で」は「この辺まで、馬鹿馬鹿しいと思うところまで思考を遊ばせる、つまり思考を思い切って非常識まで拡張する。そしてアイデアを一歩進める。10歩があるから1歩進めることができる。3歩とか5歩ではダメなのだ。このあたりはビジネスモデルのプロトタイプをつくる際のデザイン精神に通じるものがある。最後に宅急便。最初はアメリカの運送会社、UPSに倣ってYPS(ヤマト・パーセル・サービス)を候補にしたが、やはり表意性のある漢字にしようということで、「宅急便」という案が出てきてこれに決まった。個人宅への宅配、翌日つくから早い、運賃は安く、荷造りも簡単、サービスの特性が見事に表現されている。小倉さんはネーミングの経緯は詳しく述べてはいないが、「リズムがあって音感は悪くないと思った」と控え目に言われているが、このネーミングが出てくるまで社内で相当揉んだのではないだろうか。

鉄腕アトムも最初はアストロ・ボーイだったが、途中で鉄腕アトムに変った。アストロ・ボーイのままだったらどうだったか。

ネーミングの場合、一瞬で分かる表意性、擬態語・擬声語つまりオノマトペ的要素、面白さが大事ではないかと思う。ビジネスモデルデザインにはネーミングの項目は出て来ないが、私としては是非追加したい。それは「入魂」に例えられるからだ。