ハンナ・アーレントが現代の私達の問いかけることは何か

昨晩近くの本屋でたまたまハンナ・アーレント関係の最新刊をみかけたので、手に取り飛ばし読みしていたところ、ハンナの物象化論について述べてある箇所が目に入った。物象化論はマルクスが「資本論」の中で商品の分析の中で最初に述べている。正確には「商品の物神性」だ。後にジェルジ・ルカーチが「歴史と階級意識」について論じた際、人間と人間の関係が商品と商品の関係に置き換わり物の関係になってしまっているのを「物象化」と定義していた。最新刊によれば、ハンナ・アーレントは物象化について新しい定義をしている。興味深い内容だ。私は学生時代、ルカーチの物象化論をテーマのゼミの卒業論文を書いた。ハンナ・アーレントは人間の複数性、他者の存在の重要性など現代に生きる私達に、極めて貴重な論点を提起しているように思われる。現在私は人間と人間の関係性と現代における共同体の成立可能性に強い関心を持っている。考えを前に進めるためにも近い内に是非ハンナ・アーレントの著作と関連図書を読んでみたいと思わされた。