パナソニックのビジネスモデル転換・ヒットからお役立ちへ

家電大手パナソニックの業績が回復している。2015年3月期え4千億円の営業黒字を計上したが依然コスト削減効果によるところが多い。さてパナソニックはどのようにビジネスモデルを転換し、成長していこうとしているのだろうか。6月21日の日本経済新聞朝刊「そこが知りたい」のインタビュー記事の中で、津賀社長は次ぎのように答えている。

「歴代社長にとって最大の課題は『いかにヒット商品を生み出すか』だったが、今後はお客様への『お役立ち』度合いを高めるのが目標だ。・・・特定顧客にとって特別な価値のある商品を投入し、『小さくても強い事業』をたくさんつくる」。注目したいのは顧客の特定化と価値の特別化だ。具体例としてパソコンの「レッツノート」、太陽電池ではメガソーラーではなく屋根への取り付けに適した商品を挙げている。またBtoBでは飛行機向けの機内娯楽システム、自動車部品では単なる部品供給にとどまらず、自動車会社と一緒に知恵を出して二人三脚でクルマを進化させるパートナーのような存在になる、としている。

一消費者として今後のパナソニックの商品開発に期待したい。と同時にただ役に立つだけではなく、使う楽しさも考えてほしい。時代は使用価値(役立つ)だけではなくそれを使うことによって得られる楽しさ(経験価値)も求めているからだ。ダイソンのお掃除ロボット「ルンバ」は一つのヒントになるかもしれない。