ビジネスデザインとは
ビジネスをデザインする場合、重要なことの一つは「不可能を可能にする」ことではないかと思う。ここで予定と計画の違いに触れておきたい。東芝の元社長の土光敏夫氏の金言にあるように「計画」とは将来への意志である。将来への意志は現在から飛躍し、無理があり、現実不可能に見えるものでなくてはならない。現在の延長線上にあり、合理的であり、現実可能な計画は計画というより「予定」と呼ぶのが相応しい。計画は不可能に対する果敢な挑戦である。その意味ではビジネスモデルのデザインに大いに通じるところがある。ビジネスモデルの真髄はデザイン精神を全面解放してまだ見えない未来に挑戦するところにある。
さて現在は簡単にモノが売れる時代ではない。ニーズというものは既になく、あるのはウオンツだという人もいる。
その意味では計画を立てる際には「未来を先取りしてどのような価値を提供するのか」をまず第一に考えなければならない。そしてどのようなコミュニケーションシステムでその価値を正確に伝えると同時に「共創」の場も築いていくことが大事だ。これからの商品は「関係性の商品」となっていくと思う。相手には「半製品」として手渡される。利益の前に価値創造を考え、関係性を考えていく。そんなシンプルシンキングを最近、私は心がけている。