ビジネスモデルが進化するための条件

 

ビジネスモデルをデザインする場合、仕組み的部分と成長・進化していく部分と2種類のデザインが必要だ。仕組み的部分はビジネスモデルのいわば核に当る静止画的部分、進化する部分は動画的性格のもの、という位置づけになる。特に動画的部分は出来るだけ多くの仮説、シナリオを考えておくことが望ましい。最低3つは必要だろう。そして仮説をストーリー化して成長・進化のためのシミュレーションを行う。ビジネスモデルは現実に働き掛け、現実から働き掛けられて進化していく。これは文字通り実践的過程だ。この過程は試行錯誤とかセレンディビディ(幸運な発見・出会い)を伴う。

野菜の苗も同じような過程を辿って成長していくし、あるものは成長が止まり、枯れていく。一定の成果(実)がつくまで厳しい環境が続く。ビジネスモデルのデザイナー、プロデューサーにはこの覚悟が求められる。

グーグルの収益モデルは最初からビジネスモデルの組み込まれていた訳ではないとのことだ。売上げが殆どない状態で検索エンジンの強化に取り組んでいた。暫く経ってから他社が導入していた課金型広告に目をつけ、広告サービス「アドワーズ」を開始した。アップルのi-podも最初から完成されたビジネスモデル戦略があったわけではないとのこと。ビジネスモデルは実践的につくりあげていくものだ。目的地目指して荒波の中を航行していく船に例えられる。