ビジネスモデルと夢

 

最近TVで、自分の夢をプレゼンするというイベントを見た。1万円の入場料を払って会場に入る。プレゼンする人達は予選をパスしてきた人達だ。とても面白い企画だと思った。涙を流して聞いている人もいる。確かに人は夢を持つ。夢を持つことは楽しいことだ。夢と計画の違いは夢にはその人の深い渇望が、生きる意味が込められ、どこかファンタジーの色彩にも彩られている。私が子供の頃、テレビで「名犬ラッシー」という番組があった。アメリカの中流家庭の豊かな生活をテレビで見て、憧れた。「あんな生活ができたらいいな」子供が抱いた小さな夢だったかもしれない。青年期にはそれなりの夢を持ったが、会社に就職し、サラリーマン生活を送るようになった時の夢は、夢の持つロマン性、ファンタジー性のない極めて現実的なものになった。そして中年期には夢を失っていった。現在もう一度夢を見たいと思っている。それは見果てぬ夢かもしれない。森進一の歌「新宿・みなと町」の一節「心焼きつくし 背中まるめ 見果てぬ夢を語りつぐ町」は夢の持つ力を教えてくれる。夢には非現実性という色彩が常につきまとう。人は夢を現実にしたいと思う。しかし夢は夢のままにしておきたいという気持もどこかである。現代は若い人にとっても中高年にとっても夢を持ちにくい時代だ。毎日の生活に追われて、夢を忘れてしまいがちだ。しかし、だからこそ、と思う。TVの私の夢のプレゼンに出席した観客から、お金も含め協力の申し出があったとのことだ。自分の夢を実現するだけではなく、他の人の夢の実現に協力することも夢を実現する行為ではないだろうか。夢をカタチにする、それもビジネスモデルの役割だと思う。ビジネスモデルの中心には夢が輝いているはずだ。