ビジネスモデルのデザイン方法

 

ビジネスモデルをデザインすると言う時のデザインとはどのようなことか、3者の見解を参考に整理してみたい。

「ビジネスモデルジェネレーション」の著者は次のように説明する。

「思考の限界を拡張し、新しい選択肢を生み出し、そして究極的にはユーザーのための価値を創り出すこと」(P125)

紺野 登氏は「ビジネスモデルとデザイン思考」(「ビジネスモデルイノベーション」P222~223)の中で「顧客価値をにらみつつ、提供の仕組、関係づけられる資産を綜合(シンセシス)していく実践的過程」がデザインアプローチと指摘し、「多様な可能性を仮説し、実践を通じてフィードバックを得ながら・・・試行錯誤的なアプローチが望ましい」と言う。ポイントは多様な仮説と実践知を生み出す試行錯誤のようだ。

哲学者の内山節氏は言う。

「知性の力でデザインするのではなく、デザインすることのできる基盤をつくることが目的になってきた。基盤をつくることができれば、その基盤が社会デザインをする。とすると基盤とは何か。関係である。関係ができれば、関係が社会をデザインしていくだろう」

(「共同体の基礎理論」 P193~194)

以上を参考にしつつ、私なりにまとめてみたい。以下のようになる。

「顧客のための価値命題を目標として明確に設定し、既に存在する顕在的、潜在的関係を他の関係を結びつけ、綜合化しつつ、実践の過程で試行錯誤しながら、最適解を求めていく。見えないものを見えるようにする時、デザインは特に力を発揮する。デザインはモノ、コト、人々の想いを弁証法的に綜合し、新しい次元に引き上げる」

私が現在取り組んでいるビジネスモデルについてもデザインは大きな重要性を持つ、と実感している。