ビジネスモデルを創る時はコラボで

 

『無私の日本人』の「穀田十三郎」を読みながら思ったことがある。それはコラボの力だ。穀田十三郎だけでも、また菅原屋篤平治だけでもこのビジネスモデルは実現しなかったのではないか、ということである。二人がそれぞれ持ち味を発揮し、お互い励まし合いながら、知恵を出し合いながら、とうとうビジネスモデルの実現に漕ぎ着けた。ビジネスモデルはそのデザインを創り上げることも容易なことではないが、実現にも多くの試練が伴う。難しさは、その新規性、今迄誰もやったことがないというところからくる。多くの人々は言う。「本当にそんなことができるのか」。いわば不可能と思えることを可能にする取り組み、それがビジネスモデルの特徴だ。ビジネスモデルをデザインし、実現しようと思っても、そこはやはり人間だ、やっぱり無理だろうかと諦めてしまうこともあるだろう。そのような時、一緒に励まし合い、知恵を出し合うパートナーが居れば、これほど心強いことはない。「穀田十三郎」にもこのようなやり取りが出てくる。最近感じることはビジネスモデルというのは人に教えるものではなく、一緒にやるものだ、ということだ。理論を学び、現場で実習する。ということは農業にも相通ずるものがある。大事なことは同じ思いを持った人と出会い、一緒にビジネスモデルを創り上げ、一緒に実現に向けて知恵を出し合い、汗を流していくことだ。そこに醍醐味がある。最近嬉しいことにそのようなケースが増えてきたことだ。特に若い人達と一緒にビジネスモデルを作っていくのは楽しい。