ビジネスモデルキャンバスに「時流」のサブ・ブロック追加

今回ビジネスモデルをデザインする時に使っている「ビジネスモデルキャンバス」の9つのブロックの中の、価値提案のブロックの「サブ・ブロック」として「時流・編集‐関連付け」を追加することにした。ブロックに記載すべきことを考え、整理した形でまとめていくが、価値提案の判断が難しいといつも感じていた。商品の特徴とか機能ということではなく、価値の内容を見極めるのはそう簡単ではない。その結果として抽象的な内容になりがちだが、それではビジネスモデルの正確なデザインができない。最近はビジネスモデルのデザインをする機会が増えてきている。ビジネスモデルはデザイナーだけで出来るわけではない。例えばある会社の新商品のビジネスモデルを検討する場合、その会社の社長とか責任者と一緒に作業をすることになる。その場合「この商品の想定する顧客にとっての価値は何だと思いますか」と質問したとしよう。すぐ答えられる場合もあるだろうが、多くの場合は考え込んでしまうのではないか。

そこで「時流・編集‐関連付け」ブロックを登場させ、その商品を時流の中に置いてみる。

その場合その商品と時流を関連づけることが大事だ。具体的に時流を編集することができれば、その商品の時流的価値が明確になってくる。

なお「編集」とは一定の志向性をもって情報を収集,整理, 構成し,一定の形態にまとめあげる過程と言われている。ここで大事なことは志向性と一定の形態にまとめあげることで、まとめ方がモノを言う。

顧客の嗜好も時流の影響を大きく受ける。価値提案も顧客も時流の流れの中にあると言っても過言ではないだろう。時流‐価値提案-その価値を最大限に評価する可能性のある顧客、この3つが見えてくれば、ビジネスモデルつくりの見通しがついてくる。