ビジネスモデルジェネレーション再読

 今月23日の日本型ビジネスモデル事例研究セミナーの準備のため、「ビジネスモデルジェネレーション」を再読した。特にプロセス(P242~)から「この本はどのようにしてできあがったか」(P274-275)迄を精読して、改めて思うことは、この本自体が「一つの革新的なビジネスモデル」として構想され、世界中の共同制作者とともに作られたという見事さ、だ。今後の出版のあり方に新しい可能性を開いたものと言えるのではないか。と同時にこの本がビジネスモデルの作り方を「見える化」「構造化」「一般化」してくれたことにより、個々のビジネスモデル制作に新しい刺激、創意工夫の開かれた可能性も与えてくれたように感じる。基本セオリーを押えつつ、カスタマイズしていくことができる。また使用されたツール、数字も感動的だ。

そして事例研究のため上杉鷹山についても読んだ。今回選んだ本は加来耕三の「異端の変革者 上杉鷹山」。資料に基づき、上杉鷹山の実像を描いている。改革のためには痛みを受ける人々がいる。既得権益を持っている人々からの反発も当然出てくる。本当の改革の成果が出てくる迄には年月が必要であり、耐え忍ぶ期間が続く。改革推進者の人間としての力が根本的に問われることになる。方法論としてビジネスモデルをどのようにつくるか、だけでなくビジネスモデルの推進者は人間としてどのようであることが求められているのか。日本型ビジネスモデルはそのことを示唆してくれる。日本型ビジネスモデルは主体と客体の弁証法と言えるのではないか。今改めてその感を深くしている。