ビジネスモデルデザイナー 日々の修行(1)

 

毎日日記をつけ、「仕事の手帖」にビジネスモデルデザインに役に立ちそうなアイデアを思いついた時に書き付けている。日記はセルフコーチング的意味合いがある。一日の中では大小さまざまなことが起こる。忙しいとただ対応するだけになり、反応することが疎かになる。反応とは大切な出来事の意味を考え、思い巡らし、意味を考え、洞察し、問題意識や自分なりの問題解決のための仮説を立てることだ。それを毎日繰り返していくうちに、辿りつくところが出てくる。私が幕末の由利公正に惹かれるようになったのも、日本型ビジネスモデルの研究の取り組み始めたのも、そのような毎日の繰り返しの中からだった。

テーマを深掘りしていくと単なる知識欲ではなく自分の経験との融合もあり、自分なりの知識の独自の体系化も可能になる。そのような体系化の中から「自分は本当は何をやりたいのか」「自分は社会と世界のために何ができるか」が自ずから浮かび上がってくる。少なくとも私の場合はそうだった。私は多芸多才の人間ではない。それで自分がやるべきことを絞り込み、一旦絞りこんだら継続するという思いを込めて、「自分は本当は何しかできないのか」「自分は社会と世界のために何か一つでもできることがあるか」と一ひねりくわえて、考えるようにしている。そこから信念や価値観、生きる目的と仕事をする楽しさが生まれてくるような気がしてならない。「本当に自分しかできないこと」を見つけるのは日々の思索の繰り返しではないか、と最近思うようになった。