ピクサーに学ぶこと

ピクサー流経営がディズニーを建て直した記事を読んだ。それを主導したのはピクサーとディズニーの社長を兼務するエド・キャットムル氏だ。4月21日付けの日本経済新聞のインタビュー記事を読んで、その秘密を知ることができた。私にとって参考になったことがいくつかある。まず一番根本的なことが2つある。一つは、小さくて優秀なチームをつくる、というキャットムル氏の発想だ。「よいチームを作ればよいアイデアに恵まれる」また「小さい方がしがらみも少なく、官僚的になることもない。変化に機敏に素早く動くことができる」。どのようにしてよいチームをつくるか、このことについては特に言及がなかったが、ここが大きな肝になる。私自身以前チームについて、またチームビルディングについて少し研究したことがある。これを機会に再度研究し、実践してみたい。当時の私はチームの生産性に関心があった。キャットムル氏はチームの創造力、つまり問題解決力を重視する。そして小さなチームが互いに共通目標に向って協力し合い、信頼関係を築く仕組みもキャットムル氏は編み出している。「ブレイントラスト会議」だ。この会議は物事を決める権限は持たない。互いに本音を出し合って、相互理解と信頼関係を醸成することを目的としている。小さな優れたチームと関係性を維持し、深め、風通しを良くしていくブレイントラスト会議。この2つはキャットムル氏の人間理解・洞察から出てきたものだろう。そして「物事には『正しい』やり方があるという考え方も捨ててもらった。あることをやろうと計画しても最初に立てた計画通りに進むことなど決してない。」これは含蓄に富む指摘だ。生産性と合理性と反復実現性が要求される仕事と異なり、ピクサーもディズニーも問題解決力と創造性と未知の発見・感動力が要求される。確かに計画通りに進むことはないだろう。