ブランドの力と本当の価値

ドイツ最大の自動車メーカーであり、世界でもトップクラスの売上を達成しているVW社がディーゼル車問題で揺れている。理由は排ガスをごまかす違法なソフトを車に搭載していたことだ。VW社のブランドに大きな汚点がつき、ブランド力が毀損された。ブランドを築くためには長い年月を要するが、ブランドが崩れる時はそれこそ一瞬だ。最近の事例で言えば、ハンバーガーのマクドナルド、居酒屋のワタミ。マックは中国の鶏肉問題、ワタミは過重労働問題、ブラック企業というレッテルを貼られてから凋落の坂を転げ落ちている。消費者がその商品の価値を認め、信用しているからこそ、対価を払う。それが裏切られた場合の反動はそれだけ激しいものとならざるを得ない。

もう一つの例を挙げたい。ブランド化されたテーマパークとそうでないテーマパーク。販売される同じような商品でも大きな差がつくはずだ。例えば同じような商品で、同じような原価でも、ブランド化されているテーマパークであれば、そのロゴマークを入れることによって高く売ることができる。そしてそれを誰も不思議とは思わない。いや当然とさえ考える。ブランドの力は集客にも大きな効果を発揮する。企業にとってブランドは収益に直結する重大な要素だ。そのためにもブランドは磨いていかなければならない。

フランスにはコルベール委員会というブランド企業の集合体がある。

コルベール委員会は、オート・クチュール、香水、宝飾をはじめとして、皮革、クリスタル、銀細工、陶磁器、インテリア・ファブリック、またシャンパン、ワイン、コニャック、そしてフランス料理、ホテルなどのフランスの高級ブランド75 社によって構成されている。‘質と創造力のフランス伝統の中から、最良のものを保存し、より多くの人々にその喜びを伝える’という理念のもと、香水のゲラン社創始者ジャン・ジャック・ゲランによって1954 年に発足した。会員数は75 に制限されている。

日本にはコルベール委員会に相当するような委員会はあるのだろうか。