プラットフォームとコミュニティ

 

最近この両者が一緒に語られる機会が増えてきているように感じられる。「ビジネスモデルジェネレーション」ではコミュニティについて「世界中で、世界中から参加する実践者と共創してつくられました。彼らは共著者として、主体性を持って参加してくれました」。「ソーシャル時代のブランドコミュニティ戦略」の著者小西圭介氏は「今日的なブランドの意味を問う第三のポイントとしては、従来の製品サービスのあり方を超えて、顧客やパートナーとのブランドの共創価値をベースとした、コミュニティ・プラットフォームとしてのビジネスモデルの拡張機会が生み出されている点である」また週刊ダイアモンド2月16日号の最後のページで新しいメディアによる新しい「場」をつくるDMNが紹介されている。説明はこうだ。「DMNは一社ではできえない「場」をつくり、企業各社のメンバーが持っている資質を共創的に高めていくプログラムを実施しています。-ダイヤモンド社DMN事務局」以上の3つの本で特徴的な言葉は、①共創②コミュニティ③「場」だ。「場」という言葉は以前からあった。私自身「場」については何故か関心があったので、1996年に出版された水島温夫氏の「人を動かす、組織を動かす「場」発想の経営革命」を当時熱心に読んだ記憶がある。水島氏は社員が活動している「場」を4つに分類した。①情報・交流の「場」。②コンセプト・メークの場③具体化の場④オペレーションの場。水島氏は英国の産業革命という大きな変化の時代、ロンドンの喫茶店のようなところで、多くのインフォーマルな情報・交流の「場」や新しいビジネスを企画する「場」が生まれたと伝えている。戦略づくりや組織改革以前に「場」のシステムが企業の中で活発に活動していることが大切であると訴えている。インターネットが生み出したソーシャルテクノロジーにより「場」は集合知の集まるプラットフォームになり、コミュ二ティは主体性を持った創造的な人々が世界中から自由に集まることができる話題の中心になった。そして「共創」はソーシャルテクノロジーの発達と普及により、生活者主導の時代を背景にして大きな趨勢になっている。リアルな世界の定義とデジタルの世界の定義を摺り合わせて、今日における言葉の迫真性をしっかり掴み、実現する・・・そのような時代に私達は生きている。