プロデュースの役割とやりがい
企画もビジネスモデルもただデスクワークだけでは日の目を見ない。実現することが完成形だ。そのためにはやはり「プロデューサー感覚」が必要だと、最近特に感じている。プロデューサー感覚とは、効率的で高い価値を創造すると同時に、常に一歩引いて、高い視点、大きな視野で全体を見渡す感覚であると、津田憲一氏は「感動はつくれる、人は動かせる プロデュースの力」(教育評論社)の中で言っている。ここで傾聴したいのは特に後者だ。仕事に熱中するとついつい視野が狭くなり、全体像を見失うことになりかねない。
という意味ではこのプロデューサー感覚は日々の仕事の中でも役に立つと言えそうだ。さてそれではプロデューサーとしての役割を遂行するためにはどのような資質が求められるのだろうか。津田氏は6つの資質を挙げている。
①企画力(先見性、構想力、クリエイティブ力、知識力)
②判断力(的確な決断力・・・全てに領域で要求される能力)
③説得力(プレゼンテーション力・・・ぶれない推進力)
④統率力(信頼性・・・人を一つにまとめる力、求心力)
⑤バランス力(柔軟性、大きな視野・・・かたよらない感覚)
⑥ネットワーク力(人的、組織的な連携力・・・大きな財産、味方)
優秀なプロデューサーである津田氏のこの資質リストを見ると、私などまだまだとの思いを強くするが、これらの資質は仕事をしていく中で少しづつ蓄積されていく部分もあるので、リービッヒの法則ではないが、どこが一番弱いか、チェックリストとして活用していきたい。そして私なりに一つ、追加したいと思うのは大きな志を持っている、つまり無私の精神である。無私力、とでも言えば良いだろうか。ビジネスモデルのデザインはデザインでは終らず、終にはプロデュースに迄到る。その意味でもビジネスモデルを仕事とする者はデザイン力だけでなく、プロデュース力も求められる。大変な仕事ではあるが、お金では買えないやりがいのある仕事でもある。今年は、規模は小さいがプロデュース力を求められる仕事が目白押しだ。