ホビーとしての農業の可能性

私の友人で関西で農業大学校の教員をしているMさんとカフェで懇談していた時、私の方からこんな話をした。私が子供の頃、ゴルフは一部の金持ち達の特権的なスポーツだった。中村寅吉とか小野光一というような世界的プロもいたが、産業としてみるとゴルフはまだマイナーだった。当時のメジャースポーツと言えばプロ野球だった。経済成長に伴い、ゴルフの大衆化が進んだ。その結果ゴルフコースも増え、ゴルフ用品メーカーも多数出てきて、売上も大きくなってきた。つまりゴルフ人口が増えた。その殆どがアマチュアだ。ゴルフで稼いでメシを食べているわけではない。逆にゴルフのために毎月おカネを使っている。成熟社会では働くだけでなく、余暇をどのように楽しむかが個人にとっても社会にとっても大事な課題になってくる。

現在の農業はゴルフに例えればプロ中心の産業だ。まだ大衆化されていない。農業のプロに農業をホビーとして楽しむと言ったりすれば顰蹙を買うことになるだろうが、農業という産業を支えるためにはアマチュアという広い裾野を形成していくことが大事ではないか、

かなり強引な自説をMさんに披瀝したところ、「そういう考え方もあるのか」という感じで受け止めてくださった。たかがホビー、されどホビーだと私は最近思っている。