マインドピクチャーを描く・ゴッホに寄せて

ゴッホの絵には農夫(婦)を描いたものが多い。ゴッホはベルギーの炭鉱地区でキリスト教の伝道者として働いたが、その余りの激しい生き方のために(ゴッホはキリストのように生きることを目指していたが)その働きを続けることができず、売れない画家の道を歩み、若い一生を終えた。ゴッホの絵を見るたびにどこか私は痛ましさを感じずにはいられない。ゴッホはいつも自問自答していた。「私は本当に人の役に立つ人間になれるだろうか」

ゴッホの風景画にはゴッホの心象風景が重なっていると私は感じている。1889年に描かれたサンポール病院での連作、そして星月夜、1890年の描かれたカラスのいる畑。

私は以前油絵教室に通ったことがある。最初は練習ということで静物を描いた。途中で止めざるを得ない事情があって、それ以来パレットも筆も絵具もそのままになっているが、最近ふと、今の自分の心象風景を描くとしたらどんな絵になるだろうかと考えた。漠然とイメージするのだが、絵を描くとしたら、過去の思い出、将来の夢、明るい出来事、辛い哀しい出来事が混ざり合った構図になるではないか。具象画と抽象画が重なり合ったような。いつかまた絵を描いてみたい。ゴッホの心に少しでも近づくためにも。