ミニマム農家が理想とする農業の未来

石川県の住む日本一小さい専業農家「風来」の店主、通称・源さんは120万円で就農、30aの畑で売上1200万円を上げている。源さんの農業は借金を抱えない小さな農業だ。小規模のメリットを十に活かしている。さて源さんは「大きい農家と小さな農家の関係」について興味深い提案をしている。その個所を引用する。「私の理想とする農の未来の姿は、大きな稲作農家のまわりに小さな野菜農家がたくさんいる。そんなご飯とおかずのような関係を地域で築くことです。稲作農家から出る米ヌカやワラ、モミガラ、また転作で出る規格外のダイズなどを野菜農家が利用して、逆にそのお米を野菜農家も販売するというような関係、そんなネットワークがあちこちにできたら、地域も強くなっていくのではないかと思います」ご飯とおかずの関係とは言いえて妙である。経営効率を考えると稲作は大規模経営でないと利益が出ないが、野菜の、特に露地関係は小規模でも利益が出ると言われている。それぞれ利益が出るものを組み合わせていけば、相乗効果もでてくるだろう。このモデルはネットワーク化も可能だ。新規就農も含めた地域の再開発方式にとって、このご飯とおかずのビジネスモデルは有効だろう。野球に例えるなら、日本の場合、ストレートは小さな農業、変化球は大規模稲作、と私は考えたい。ストレートがしっかりしていないと、変化球も生きてこない。