メニュー、食品偽装、景品表示法違反について

 

なぜこのようなお客を裏切る行為が次ぎから次へと出てくるのか。今迄のデフレ経済下で全般的な低価格化傾向の中、何とか利益を出なければならず、食材のコストダウンが行過ぎてしまった、ということかもしれない。現場サイドでは分かっていたはずだが、それを言える雰囲気ではなく、いつの間にかそれが常態化し、感覚も麻痺していったのだろう。しかし、本物ではなく偽物を出して消費者を裏切ったことによる損害は計り知れない。一旦失った信用は一朝一夕では取り戻せるものではない。一方このような風潮の中にあっても本物を使い続け、頑張ってきたメーカー、飲食店も多いことだろう。それにつけても、本物を守るためには信念と痩せ我慢がことさら求められる、と改めて思ったことだ。そして「信用」が築かれていく。

さてこのことについて若い友人のIさんと話した。

Iさん「私たちはどうやって偽装を見抜いたらいいんでしょうか」

阿部「何でも安ければいい、という発想を変える必要があるね。勿論企業努力でコストを下げるという面もあるけれど、極端に安いものについては疑ってかかることも大事じゃないかな。消費者も賢くならなれればいけない」

Iさん「賢くなるためにはどうしたらいいんですか」

阿部「その一つは生産過程を知ることだと思うよ。農業でも漁業でも酪農でもその生産物を作ったり、得るためにどれだけの労働過程とコストがかかっているか、概略でいいから知っておくといい」

Iさん「私たち学生も農家の方のところに行ってお手伝いなどして交流活動をしています」

阿部「そういう時にどれくらいのコストをかけて作っているか、聞いてみたらどうかな。これからは本物を正当な価格で買う時代になっていく。だから自分なりにきちんとした価値感、価格感を持つことが大事なんだと思う」

Iさん「難しいなあ。でも心がけていきます」

阿部「そして、食べ物を残さないということも大事なことだ。自分がどのくらい食べられるか、残さないようにするためにはそんなことも考えてほしい。捨ててしまう食べ残しの食べ物にもコストがかかっているんだから」

Iさん「分かりました」