モノからコトへ コトからヒトへ

 

人々の関心がそして評価の重点がモノからコトにシフトしてきている。コトはモノとモノを使うヒトの使用価値感、場の充実の中で形成されるが、最近有名になった事例をいくつか挙げたい。まずコカ・コーラが2010年に実施したブランドプロモーション。これは選ばれたコークファンが、世界中を旅してハピネス体験をソーシアルメディアで共有し、つなげていくプロジェクトだ。ナイキはNIKE+FuelBandというリストバンドを導入し、あらゆる種類のスポーツの運動量をセンサーで認識し、共通の活動単位でトラッキングし、リアルな行動や目標達成を支援する。ユニクロはファッション体験を創造するためUNIQLOOKSをフェースブックに連動させて大きな成果を収めている。これからは勝負の土俵がコトに変わってきていく。いや既に変ったと言っても良いだろう。使用価値感と場を充実させていくために、リアルな世界でもできることもあると思うが、やはりソーシャルテクノロジーの世界の方が劇的で普及が加速度的で、しかもコンテンツの集積量が桁違いに大きくなる。コミュ二ティ・プラットフォームの構築はソーシアルテクノロジーがあればこそ実現、稼動させることができるものだ。そして最後はヒト。現代は顧客主導の時代だ。顧客はモノを使いながら、自分の使用価値感を高めようとしている。また顧客同士がお互いの声を聞き合い、自分の感性を、体験を磨いている。つまり顧客主語、顧客がブランド形成に大きな影響を与える時代になったということだ。