ラーメン屋から坦麺屋へ
今日浦和の一つ先の北浦和に行った際、商店街に新しいラーメン屋を見つけた。表に出ていたメニューの写真は全部坦麺だ。私はラーメンよりも坦坦麺の方が好きだ。美味しそうなので友人と一緒に店に入ることにした。ところが友人はラーメンの方がいいとのことで、ラーメンを頼もうとしたら、「ウチは普通のラーメンはやっていないんです」。ということで私も友人もシロの坦坦麺を注文した。大きな器にスープ一杯の坦坦麺。麺はやや少なめ。
若い少年の面影を残す2人が店を切り盛りしている。兄弟のような感じだったが、一人は香川県出身、もう一人は大阪とのこと。
まずスープを飲んだ。期待を裏切らない味だ。ただ食べているうちに塩味が少し強いような印象を受けた。スープを飲み、麺を食べた後もスープがたっぷり残っているので、ご飯を一杯注文し、スープの中に入れてオジヤ風にした。この食べ方は以前、新大阪駅の下の食堂街にあったラーメン店「亀王」で教えられた食べ方だ。坦々麺系のスープとご飯は良く合う。さて今日の本題はここからだ。
以前はこの店はラーメン屋だった。こだわりのラーメン屋という印象を受けたが、店に入って食べようという気持ちにはならず、いつも前を素通りしていた。しかし10月にオープンしたこの店。坦々麺を売りにして、それで勝負しようという意気込みがメニューの写真から伝わってきた。つまり一般的なラーメンではなく、もっとニッチに坦々麺にメニューを思い切ってセグメント(細分化)している。それが坦々麺好きのハートを掴んだ。
私達が店に入った時は先客1人と私達2人だったが、暫くするとカウンター席が一杯になった。ラーメンの中で坦々麺に絞った2人の戦略をいつか聞いてみたい。
顧客セグメントと顧客に対する価値提案、というまさにビジネスモデルのセオリーを踏んでいる。あるセグメントをセレクトするとは他のセグメントをすべて捨てるということでもある。この決断は簡単なことではない。