一流と二流の違いはどこから来るか・本気度

 

今日のNHKのスイッチインタビューでなでしこジャパンの佐々木監督が漫画編集者の質問に答えて、「本気でやっているかどうかだ」。漫画編集者は佐々木監督の答をフォローするカタチである漫画家のケースを取り上げていた。さて本気になる、ということはどういうことか。佐々木監督も佐渡島氏もそれぞれの立場で答えていたが、要は極端な言い方になるが、24時間自分の仕事に取り組んでいるかどうか、ということのようだ。以前坂村眞民さんの詩集「自選 坂村眞民詩集」を読んだ時、特に「海から海に立つ虹」の中の「本気」という詩に立ちすくんだ。短い詩だ。

 

「本気」

本気になると

世界が変ってくる

自分が変ってくる

 

変ってこなかったら

まだ本気になっていない証拠だ

 

本気な恋

本気な仕事

 

ああ

人間一度

こいつを

つかまんことには

 

私はある時期まで「本気になるために何をしたら良いか」考え続け右往左往していた。本気になれる「こいつ」をつかまえる前には死ねないと思いつめていた。眞民さんの詩「なにかわたしにでもできることはないか」は立ちすくんだ私に希望の光を与えてくれた。私なりに少し表現を変えて、「私にはこれしかできない。これで生きるんだ」と思い極めることができた時、私は疲労困憊の夢追い人から抜け出すことができた。本気=24時間自分の仕事に取り組んでいる、と言っても何も必死の形相でい続けることではない。佐々木監督は監督業は「楽しい」と言っていた。そうか。本気になればなるほどやるべき本質的なことが次々に見えてきて、やりがい、そして楽しさが増していくのだろう。勿論人生に苦難はつきものだ。苦難を通じて私達は生きる力と生きる意志を産みだすと考えたら、どうだろうか。私達は今<楽しい><楽しむ>という言葉を再定義する時代に来ているのかもしれない。最強の市民ランナー、川内優輝(25=埼玉県庁)が今日の別府マラソンで2時間8分15秒で大会新記録をマークし初優勝を果たした。レース後、インタビューで息を切らしながら<楽しかった>と答えていた。ビジネスモデルをデザインする仕事、プロデュースする仕事は簡単なことではない。本気にならなければ魂のこもったビジネスモデルをデザインすることはできないが、やはり<楽しむ>ことなのだ。<楽しむ>という言葉は何と大きな言葉なのだろう。