一週間の歩みを終えて

月曜日から金曜日迄、一日一日の旅路を歩いてきて、金曜日の晩、夕食を終えて机に向う。I-Tunesに入れておいた倉本裕基のピアノ曲を聴いている。久しぶりにゆったりとした気分だ。静かな夜。毎日日課にしているある本を読んだ後、この1週間の出来事を思いだす。心を騒がせたり、苛立たせたりすることが殆どなく、航海に例えれば、順調な船路だった。これからの人生航路はどうなるか分からないが、何分老朽船になってきているので、荒海の外洋は避けて、陸地に近い航路をとっていきたいものだ。

暫くボンヤリしていた時、詩人長田弘の詩集「死者の贈り物」を思い出した。束の間に人生は過ぎ去るがことばは灯火となってとどまる。うれしさと悲しみを照らしながら。

早速本棚に向かい、詩集を手にとる。その中の一つ。好きな詩だ。

 

「こんな静かな夜」

 

先刻までいた。今はいない。

ひとの一生はただそれだけだと思う。

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悲しみは、忘れることができる

あなたが誰だったにせよ、あなたが生きたのはぎこちない人生だった

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いつのときもあなたを苦しめていたのは、

何かが欠けているという意識だった