不利な条件を有利な条件に転換する・イスラエル農業の凄さ
イスラエルの会社の日本法人の事務所に伺った。私が屋上野菜の水やり方式で点滴方式に関心があることをY氏に伝えたことがあった。Y氏の会社はこのイスラエルの会社と付き合いがあるので、連れて行っていただいた、という次第だ。イスラエルは国土の半分が砂漠・乾燥地帯。人口は現在800万人。灌漑用の水は井戸からくみ上げたり、淡水化プラントを使ったり、生活排水などを浄化して、まさに一滴も水を無駄にしないように使っている。イスラエルの灌漑技術者がひょんなことから植物には点滴方式での水遣りが効果的なことを発見し、それを産業化した。まさに不利な条件を有利な条件に転換し、グローバルスタンダードにした。スマートアグリで有名なオランダにもこの技術を輸出しているとのことだ。私達はビジネスを始める時、通常はナイナイづくしだ。資金がない、人脈がない、販路がない、技術力がない、世間的認知度がない・・・。イスラエル農業はこのようなハンディキャップを乗り越えただけではなく、野菜栽培の本質、つまり野菜が最も望んでいる水遣り、施肥のシステムを発見し、それをシステム化した。農業には適していない乾燥・砂漠地帯が半分を占めるイスラエルの食糧自給率は100%を超えている。農産物を輸出し、また農業システムも輸出している。最近日本の農家でも最近の天候不順もあり、この点滴方式を導入するところが出てきている。私が関係する屋上菜園でもこの最先端のシステムを導入することを考えたい。省水化、省力化を実現し、増産を計るために。
ビジネスモデルデザイナーはこのイスラエルの農業から考え方とセオリーを学びたい。