両面を見て、全体を掴む。その上で、個々の具体的対応を考える

物事はやはり両面を見ることが大切だと思う。良い面、悪い面。プラスの面、マイナスの面。光の当っている面、影になっている面。表舞台と裏方。両面を見た時に、初めて物事の真実、さらには本質が見えてくるのではないか。その結果2つの面という二元論的考え方から一段高いレベルでの一元論的世界へと進むのではないかと、最近思わされている。何かのキッカケがあった訳ではないが、自然にそのように思えるようになってきた。人間の生活にとって最重要な資源はおそらく2つだろう。一つは言うまでもなく、食糧だ。人は食べなければ死んでしまう。それは動物も同じことで、「食べる」ということは人間にとって最重要の活動だ。そのためにも食糧は絶対に必要なものである。もう一つはエネルギーだ。古来エネルギーは木から取っていた。現代風に言えば、バイオマス。木材資源を活用して食べ物を煮炊きしていた。現代のエネルギーの代表格は電気、石油、原子力。石油、原子力は鉱物資源でいずれ埋蔵量が尽きれば使えなくなる。電力も水力は別にして、石油、石炭、天然ガス、原子力に依存しており、埋蔵量が尽きればそれで終り、ということになる。再生可能ではなく、毎年枯渇への道を辿っている。シューマッハ流に言えば、地球の所得ではなく資産、あるいは遺産を食べながら、特に石炭はCO2を大量に発生させながら電力などのエネルギーを生み出している、ということだ。私自身はエネルギーの中で一番需要なのは電力、と考えている。なぜなら現代社会を動かしているのは電力だからだ。

その意味で電力の供給と使い方については、プラスの面、マイナスの面、つまり発電と節電の両面を考え、全体として電力のピークロードを持続可能な水準に持っていくことが重要だ。太陽光などによる発電だけではなく、自然の力を活用したグリーン節電にも目を向けていきたい。