中国リスク 

中国はこれからどうなるか。まず対外的には軍事的圧力を高めていくことだろう。日本との関係では尖閣列島、東南アジアでは南沙諸島での海軍基地建設、太平洋を米国と二分する海上覇権確立。このような中国の軍事的膨張主義はどこから出てきているのか。今回の日本政府の安保法案はこの中国の軍事的脅威をまず念頭に置いているように思える。

一方経済的にはどうだろうか。中国は公共投資で経済成長を牽引してきたが、政府の財源には限りがあるだろうから、いずれ民間主導型の経済成長に転換していかなければならないが多くの大手企業は政府系であり、民間が本来持っている事業革新力という面では人材面でも技術面でもその保守性が大きな壁になるだろう。

株式市場も乱高下しやすい未熟な構造を抱えている。政府が上海の株式市場に介入しているが、官製相場はいずれ国際的にも相手にされなくなっていくはずだ。

最近の中国政府の内政を見ていると独裁強化と恐怖政治の支配だ。もはや国民の声を政府には届かず、国民は暗闇の中にいるような気持を抱いているのではないか。

爆買いなどできる富裕層はほんの一握りだろう。

中国の地方は荒廃しているのではないだろうか。外資は中国に資本を投下して生産をする生産基地あるいは工場建設よりも、大きな市場として中国を見ている。生産はカントリーリスクを考え、東南アジアにシフトしている。

中国は正確なデータを発表しない。今何が起こっているか誰も分からない。いろいろな意味で中国に対して身構える時代になっている。