中国共産党の行方

 

中国がこれからどうなるか、さまざまな予測が飛び交っている。ハンナ・アーレントの言葉を借りれば中国は全体主義的傾向を強めているように思えてならない。中国人民、正確には貧農、下層中農を封建的体制から解放した人民解放軍は、現在人民の抑圧装置化している現状をどのように考えているのだろうか。ウイグル人による天安門事件はひとつの象徴だ。さてそのような中で中国に新しい政党が誕生した。政党名は中国至憲党。薄熙来元重慶市共産党委員会書記を終身主席とし、党規約で憲法を守り、社会主義の建設をめざすとしている。毛沢東を信奉する左派だ。憲法を守るということは普通の国では当然のことだが、現在の中国では弾圧の理由にされかねない。しかし、国父である毛沢東を前面に掲げて政党活動をするのであれば、中国共産党としてもうかつには手を出せないだろう。私は中国政治の専門家ではないので、直観的なことしか言えないが今後の展開を以下のように予想している。

1.中国各地に毛沢東を信奉する社会主義政党が生まれる。これは現在の経済的不合理、腐敗が資本主義的路線から来るものだ、という批判を踏まえている。別に毛沢東を信奉していなくとも虎の威を借りる形で批判勢力が結集するだろう。毛沢東は錦の御旗のような役割を果たす。

2.中国は7大軍区によって武力的に支配されている。軍区の地方軍区の中で人民に同情する勢力が出てくるだろう。人民、民兵、人民解放軍による臨時地方政府が樹立され、一旦は中央から派遣された人民解放軍に弾圧される。

3.この事件をきっかけに後に続く革命運動が「星火遼原」的に広がっていく。

いずれにしても中国もソ連のようになっていくのではないだろうか。各民族は民族自決に基づき、それぞれの国を建国することになるだろう。歴史弁証法的に考えるとそうなる。