中央と地方

最近は地方という言葉を聞かない日はない。「地方創生」という言葉が踊っている。地方の対極にあるのは中央、田舎に対する大都市。日本の場合は最終的には中央は東京、ということになる。東京を中心とする「東京圏」には既に3000万人が集まっているとのことだ。日本の人口の約1/4が狭い地域の集中・集積しているということになる。人は何故大都市東京に集まるのだろうか。一番大きな理由は「可能性が溢れている」「成功者になることができる」という思い(あるいは期待、さらに言うなら思い込み)ではないか。昔の人はよく言っていた。「故郷に錦を飾る」。しかし都会には光の部分もあるが影の部分も当然色濃くある。誰もが可能性を掴み成功者に成れる訳ではない。成功者はほんの一握りというのが現実だ。それにも拘わらず中央は依然としてポジティブなイメージで輝き、地方はネガティブな言葉で語られ、マイナス要素で覆われることが多い。

本当にそうなのだろうか。「里山資本主義」という本が出版され、地方再評価の動きが出ている。今後の日本を考える上で発想の転換が必要ではないかと感じている。つまりこれからの日本にとってどこが本当の意味で「中央」なのか、あるいは「中央」は一つだけなのか、地方こそこれからの「中央」ではないか・・・など議論すべきと思う。何をもって地方と考えるのか、中央と考えるのか。京都、大阪は長い歴史を持っているが、東京はたかだか400年程の歴史しか持っていない。地方の集まりが江戸、東京を作ったというのが実情だろう。