中小企業こそアライアンス戦略を・そのビジネスモデル

小さな会社、組織こそ提携戦略を取る必要がある。顧客を開拓し、売上を増やし、また提携先からさまざまなことを習得することができる。多くの中小企業、零細自営会社の経営者はその必要性を感じているはずである。かくいう私自身もそうだ。さて提携戦略を取る場合に大切なことがいくつかあるだろうが、今回は2つのことを取り上げ、考えてみたい。

第一は、提携戦略はいわば「同盟戦略」であり、私の会社の側のメリットだけではなく、相手の会社が当社と同盟を結ぶことによってどのようなメリットを相手の会社に提供できるのかが問題となる。私の会社の提供するものに相手の会社が強いメリットを感じなければ同盟など成立しようがない。「うちの強みが相手のメリットになる」というのは間違ってはいないが、相手の価値感に立って相手が高く評価できるようなメリット提案が大事だ。

例えばこちらが零細企業で、自社よりも規模の大きい中小企業の場合、零細企業として「何か」を持っていなければ対等の同盟関係は成立しない。

第二は同盟戦略は、緊密な関係を結ぶことによって、両社の共通領域(インターフェース)で生まれてくるものを一緒に育てていく、ということも意味している。

同盟関係は単なるギブアンドテイクの世界ではない。共生というコーポレートエコロジー、生態系の世界でもある。零細企業、小さなグループは身の丈で徹底した顧客・市場セグメントに基づいた価値提案、差別化要素を磨き、日本一、世界一を目指すべきだろう。そこから仕事への誇り、創意工夫、忍耐心、責任感、つまりやりがいが生まれてくるはずだ。