丸の内仲通りを歩きながら

 

新聞で丸の内仲通りが緑の歩行空間になると読んだので、早速行ってみた。弊社が入っている神田錦町のちよだプラットフォームから歩いて行ける距離だ。近い。日本橋川を渡ると大手町フィナンシャルシティの川沿いのところが工事中なので、ビルの中に入り、2階から仲通りの延伸工事の現場を見た。この延伸通りは東京サンケイビルの前を通り、大手町ビルの中を抜けて、旧富士銀行の本店跡地の樹木地帯を通って、有楽町の仲通りにつながる。有楽町の通りに入って驚いたのは、歩道が広くなって、高い木の下にはベンチが置いてある。木陰に覆われた緑溢れる通りで、通りの左右にはブランド店が軒を並べている。何かヨーロッパのお洒落な繁華街を歩いているような感じだ。若い頃、新有楽町ビルには仕事で毎日のように来た。当時川崎製鉄の本社がこのビルに入っていた。当時とは様変りしている。一息いれるために、カフェに入った。店内中央に大きなジオラマがあり、その中を新幹線など列車が走っている。東京タワーが立っているジオラマなので港区のある場所をモデルにしているのかもしれない。アイスコーヒーを飲みながら、一緒に丸の内仲通りを歩いたビジネスパートナーのYさんと暫くブレストをした。東京に緑溢れた通りをつくる。人は緑に惹かれ集まってきて、賑わいが生まれる。一方、木の花の蜜とか樹液を吸うミツバチなどの昆虫もやってきて、それに伴い鳥達もやってくる。人間と小生物、鳥が共生できるような緑化とはどんな緑化なのだろうか。生物多様性の世界は生物の側が一定の秩序を造りだすものだろうから、人間の管理上の都合であれこれできない可能性もある。鳥のフンも落ちてくるだろう。ミツバチに刺される人も出てくるかもしれない。また都市緑化は屋外だけでなく、屋内でもできないか。シームレスの緑化のためにはどんなバックアップシステムが必要なのだろうか。光合成のためのLEDの使い方はどんなふうにしたら良いか・・・。ブレストは2時間近く続いた。

パリ市内には2万本のブドウの木が植わっているとのことだ。きっとブドウの葉と実を食べるためにコガネムシなどの昆虫も、また鳥も沢山飛んできているのにちがいない。若い頃、アテネに行った時、憲法制定広場のベンチの横でオレンジがたわわに稔っていた。都市緑化のためにどのような植物を選ぶか、それで国により都市のあり方の違いなど、いろいろなことが見えてくるに違いない。